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かぎ針編みの大作本、技術的にも上級者向け。もともとインスタでフォローしていた作家さんの本が邦訳に!
期待大で予約購入しました。のにレビューがだいぶ遅くなってしまいました。
表紙にも掲載されているシマウマを編んでいます。
著者のヴァネッサ・ムーンシーさんは、かぎ針編みだけでなくさまざまなクラフト本を執筆されています。
こちらの鳥本は近刊。イギリスで11月発行の予定です。日本のアマゾンだと2ヶ月遅れになるみたいですが、予約開始していたので原書で予約しました。
…そう、原書で。というのも、このアニマルトロフィー本、ほんとに翻訳が良くなくて。デザインが最高にいいだけに勿体ないです。
Short rowsは「短い列」ではない
説明文に「短い列を編み」と書いてあって、一目で「誤訳だな?!」となったのが購入後のハイライト。
Ravelryのパターン情報を見に行ったところ、タグに「short-rows」があってなるほどー、となりました。
https://www.ravelry.com/patterns/library/zebra-30
「Round」と「Row」。日本語だとどちらも「段」になりますが、英語では2種類の呼び方があります。ぐるぐる丸く編む方がround。立ち上がりをつけたりして往復編みをする方がrowです。そしてShort rowsは、靴下編みでおなじみ「引き返し編み」の一種のこと。かかと部分の角を作るのに使ったりします。
かぎ針編みで引き返し編みという表現は一般的ではないですね。だからここに着目して、「かぎ針編みで引き返し編み、やってみませんかー」なんていう宣伝ができたらキャッチーで良かったのになと思ってしまいます。
そのほかにもちょっと意味の通らない…というか、これ原文ではなんて言っていたんだろう?となってしまう文がちらほらと。
なんでこんなことになってしまったんだ?と訳者の柴田里芽さんの名寄せをアマゾンで見てみたのですが、もともと手芸関係専門の方ではなさそうです。専門外ならある程度はそういうこともあるよねと思うのですが、今回は高際有希さんという監修者もいらっしゃる。編み物作家さんのようです。ダブルチェックを経てこの誤訳が通ってしまったのは、正直悲しいなあという印象です。
アマゾンUKでチラ見してみたところ、原書でも編み図が掲載されている模様。Ravelryにも「chart」タグがついています。
スクリーンショット:https://www.amazon.co.uk/Animal-Heads-Trophy-Crochet/dp/178494064X/より
多少英語に我慢しなくてはならない部分もあるかと思いますが、原書を買って編めないこともないパターンだと思います。翻訳というプロセスが間に噛んでいるせいで余計にわかりづらくなってしまっている感がありますので、これは原書が買いではないかなあ…
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翻訳本を買うよりやや高額になってしまいますが。
近年ではなかなか出版の機会が少なくなった気がする上級者向けのかぎ針編み本。期待値高かった分ややしょんぼり…でしたが、デザインは間違いなく最高です。ぜひ、(原書、で?)みなさまもチェックなさってみてください。
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「『かぎ針編みでつくる、おしゃれな動物のインテリア』 by ヴァネッサ・ムーンシー (日本文芸社)」への1件のフィードバック