編み図を作るソフトウェア「Stitch Works Software」を紹介しようと思ったら、Mac版のサポートが終わってたっぽいっていう話の続編です。
結論から言うと、英語で苦情の問い合わせをするっていう一番やりたくないタスクは回避できました。ふう…
「Stitch Works Software」の顛末は、タグ「Stitch Works Software」からどうぞ。
開発終了…してなかった!
Mac版のサポート終了?!の疑惑に、うわあこれはこまった!と、とりあえず我が家のエンジニアにこの話をしてみました(便利な環境です)。
そうしたら、見つけてきてくれたのが以下のツイート。
Crochet Charts from Stitch Works Software is now Open Source and free to use/download. This is the software I use… https://t.co/SWw0O02x7m
— Darlisa Riggs (@fignations) June 10, 2016
(訳:Stitch Works SoftwareのCorchet Chartsはオープンソースになって、無償で利用・ダウンロードできるように。これはわたしが使っているソフトで…)
ツイートのリンクはRavelry内コミュニティ「Stitch Works Software」につながっていました。

…まさかRavelryにコミュニティがあったとは。いや、考えてみればたしかにないわけはないようなソフトなのですが、思いつきもしませんでした。
コミュニティトップページには、Stitch Works Softwareが現在の状態になった経緯の説明がありました。オリジナルの開発者さんからのメッセージも。
クローズドコミュニティ内に投稿されたものなので、全文のご紹介は控えようと思いますが、かいつまんでいうとこんな感じ。
・2年前(2015年現在の投稿です)からStitch Works Softwareの新バージョン作成をしていたけど、ちょっとうまくいかなかった
・前後して、仕事の環境が変わったので、Stitch Works Softwareのようなプロジェクトに割く時間がなくなっちゃった
・とはいえ、ソフトを買ってくれた人や今までお世話になった人たちに対して責任を感じているし、Stitch Works Softwareをここで終わりにはしたくなかった
・2014年ごろ、Ravelryのユーザーでもある複数の人たちから、Stitch Works Softwareをオープンソース化してはどうか?と打診された
・きっとうまくいくと思ったので賛成した
・今まで何年間もほんとありがとう、みんなと一緒に取り組めて楽しかった
とのことです。なるほどねー。
全文をお読みになりたい方は、上記にリンクしたRavelryのコミュニティページにアクセスしてみてください。英語での会員登録が必要ですが、無料のサービスです。
(しかしオープンソースソフトウェアについてのお知らせが、クローズドなコミュニティでしか行われていないってあんまり望ましい事態じゃないんじゃないでしょうか…ブツブツ…)
GPL v3でMac版も入手可能
というわけで、知らぬ間にStitch Works Softwareはオープンソース化していたのでした。ライセンスはGPL v3とのこと。
オープンソースって?GPL??については、Wikipediaなどをご覧ください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/オープンソース
https://ja.wikipedia.org/wiki/GNU_General_Public_License
簡単に言うと、
GPLは、プログラム(日本国著作権法ではプログラムの著作物)の複製物を所持している者に対し、概ね以下のことを許諾するライセンスである。
1.プログラムの実行[注釈 1]
2.プログラムの動作を調べ、それを改変すること(ソースコードへのアクセスは、その前提になる)
3.複製物の再頒布
4.プログラムを改良し、改良を公衆にリリースする権利(ソースコードへのアクセスは、その前提になる) GNU General Public License - Wikipedia
つまり、プログラムの設計図を誰でも覗けて、自由に改造できて、自分で使ったり、他の人に配布したりすることができる、という、とても制限の少ないライセンスです。
先日ご紹介したStitch Works Softwareの最新版(ver1.2)は、GPLライセンスのもとで、新しい開発者によって作られたバージョンの模様。
GitHubはこちら。
https://github.com/iPenguin/CrochetCharts
そして、わたしがいちばんホッとしたことに、Mac版ver1.2のdmgファイルも、Stitch Works Softwareコミュニティのトップページで配布されていました!
https://www.ravelry.com/groups/stitch-works-software
(まさかのリンク先がgoogle drive!だけど)わーい!とりあえずよかったー。
公式サイト(http://stitchworkssoftware.com/)でMac版が配布されていないので、今使っているPCがいきなり壊れたり、バックアップデータが飛んじゃったりして、今使っているソフトを救出できなくなったら困るなーっていうのが一番の心配でした。(プラス、動作未確認環境でいきなりソフトが動かなくなったら商売上がったりだい、という次なる心配も)。
とりあえずインストーラーを入手できなくなる心配は回避できました。あーほっとしたー。
ただ、インストーラーの動作確認はしていません。わたしのPCでやろうとすると、一度現在あるソフトを削除しなくてはならないのでちょっと避けたい。
Ravelry内Stitch Works Softwareコミュのフォーラムでのやりとりを見ている限り、ちょっとバグの多いバージョンではあるようです。ver1.2の開発者も学生さんで、学業の一環として作られたバージョンのよう。現在人が足りなくて、次のバージョンの開発は止まっているようです。
FAQなどもコミュニティ内に作られていますが、これまた全てのやりとりが英語で行われていますので、ちょっとハードルが高いのは相変わらずの模様です…
まとめ
・Stitch Works Softwareのオリジナル開発者による開発は終了
・オープンソース化され、有志が2015年にver1.2をリリース(GPL v3)
・これ以降の開発は人が足りなくて止まっている
・とりあえずWindows / Linux版は公式サイトから、Mac版はRavelryコミュ「Stitch Works Software」からインストーラーがダウンロード可能
というわけで、整理してみると大したことではなかったのですが、何がどうなってるかよくわからない状況でRavelryに飛ばされたときはほんと頭の中が???でした。
あと、ちょっとした後日談もあります。またご紹介しようと思います。
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与太話。
「これから先にいきなり動かなくなったりとかしたらどうしようっていう恐怖があるんだよねー。OSアップデートが怖いなー」などと話しながら調べていたら、我が家のエンジニアが
「オープンソースなんでしょ?動かなくなったら再ビルドすればいい だけ 」
「大した 話では ない」
と言い放ちました。そら君にとってはな。
コメント
[…] ※2018.02.16 続報を書きました。 「かぎ針編み図ソフト「Stitch Works Software」がオープンソース化していました」 https://piggiesagogo.com/2018/02/16/stitchworkssoftware2/ […]
[…] かぎ針編み図ソフト「Stitch Works Software」がオープンソース化していましたの続きです。 […]
[…] そしたら、プロジェクトとしてはいつのまにかオープンソースから商品化のほうに舵を切っていたらしく(どこかのStitch Works Softwareとはえらい違い…)、2017年にKickstarterでクラウドファンディングを。 […]